ART STREET/アート・ストリート ハイパースペースサッポロ||

「ハイパースペース・サッポロ II」プロジェクト#02
「サッポロの未来」
(フロアテキスト+サウンドトラック):
カミーユ・フェルシュフーレン(アーティスト/オランダ)

空間デザイン:
カミーユ・フェルシュフーレン+S-AIR Creative

ランゲージ・アート
(広告枠27箇所):
イチハラヒロコ
(アーティスト/京都)


カミール・フェルシュフーレン
(kamiel Verschuren) 
オランダ・ロッテルダム在住 アーティスト
1968年生まれ。都市とアート、生活とのコミュニケーションに主題をおき、ロッテルダム市の行政との共同プロジェクトを多く展開。近年では海外での公園設計を依頼されるなど、アートから文化施策、都市設計など多方面で活躍。 *ハイパースペース・サッポロ II「プロジェクト#02 サッポロの未来」(フロアテキスト+サウンドトラック)制作

イチハラ ヒロコ
京都在住
アーティスト
1963年京都生まれ。「愛と笑い」をテーマに、言葉や文字をモチーフに作品を制作している。 横浜トリエンナーレ2001をはじめ、水戸芸術館、東京都現代美術館などで作品を発表。作品集に『この人ゴミを押しわけて、はやく来やがれ、王子さま。』ほか。
*通路内広告枠27箇所に言葉のアートを制作




さっぽろアートステージ
2006実行委員会

TEL :011-281-7117
受付時間/平日9:30〜17:30
※お急ぎの方は、大通りコンコース「キーステーション」へ
FAX: 011-281-7119

ホームページ
http://www.sapporo-artstage.com
Eメール 
info@sapporo-artstage.com

地下鉄東西線「バスセンター前駅」と「大通駅」を結ぶ地下通路空間全体を使って、雪の街札幌に暮らす人々に向け「ハイパースペース・サッポロ II」プロジェクトを行います。あなたが通路を歩くときの「時間」をアート体験に変える試みです。
この時間は未来に向うあなたの時間、この時間を使ってあなたが考えていること、思っていること、感じること通路を歩くあなた自身が、個性的な「時間」を創り出していく1ヶ月間です。

 

アート・ストリート
アート・プロジェクト{ハイパースペース・サッポロ II}
プロジェクト#02 サッポロの未来

「雪は来年も、また次の年も降り続く。失敗と進歩のために可能性とチャンスを繰り返し差し出してくれるように」カミーユ・フェルシュフーレン



「札幌の人々へ」

重なり合って連続するひとコマ、生きている、活動している「いま」について、アーティストといっしょに考え、話し合い、新しい提案をすることも、札幌のアート・オーガナイザーにできることだと考えます。また、このプロジェクトは、アーティストによるアイデアの提案から、人々との共同作業を経て実行まで辿りつくという未来に続く大プロジェクトの一部分、プロセスです。ここで完結するのではなく、人生が続くように11月が終わった後も続きます。

美術館や、ギャラリー、公園の彫刻のような特別な場所にだけアートが存在するのではありません。同世代を生きているアーティストたちによって、いろんな方法で、アートはすぐ身近に息づいています。彼らの視点、考え方、楽しみ、苦悩、ストレス、こういった札幌に暮らすひとりひとりとなんらかわりのない同じ現代人であるアーティストと、札幌の人々が共犯者となり、プロジェクトが思いかげない展開に発展すれば幸いです。

カミーユ・フェルシュフーレン(ハイパースペース・サッポロ II / プロジェクト#02 サッポロの未来)は、札幌は雪の降る街だから、と当たり前の事実を展開させました。雪というほかの大都市にはない希有な財産と札幌との長く親密な付き合いを今一度見直してみたら、と問うているのです。その提案は現在と隣り合わせに存在する「未来」の物語になぞらえ、滑稽にまじめに、妄想と希望を語る方法をとっています。「生きること自体がアートなのだ、だから、だれもがみんなアーティストになりうる」、いつもの通路でさえ、アートが息づく場所です。いつもの時間ごとアートです。これはSFの世界でもきれいごとでもない、ほんとうにそうなるかもしれない、未来は現在にいるあなた自身が選び取り、生き、創り出すのです。

イチハラヒロコ(広告枠27箇所に言葉のアートを制作)は、ひとがポジティブな方向に向かおうとするたくましさを、様々な角度から拾い、言葉に代えています。絶望の中に希望を見いだすこと、不満の中に夢をみること、絶頂のさなかに醒めていたり、そういった現実と想像が入り交じり、矛盾しあう感情のうずに巻き取られながら、人はひとりひとりむき出しのまま未来に向かってすすんでいます。目で見る、これらの感情の断片から飛び出した言葉に、だれかのまだ知らぬ感情を探したり、またどこかに、似た気持ちを抱くだれかが存在することを想うでしょう。そこにはうそではない、驚きと素直な共感の笑みが浮かぶはずです。雪の冬には愛が必要ですから。

空間全体の設計とデザインをカミーユ・フェルシュフーレンと共同作業したS-AIR Creativeは、「地下通路を通る人々」が、アートを体験する空間を一時的に設けます。いつもの場所でいつもと違うなにかが起こっているということを、まっさきに気付いてもらうための仕掛けです。いたるところに言葉があふれた通路は、まるでみんなの心の中を覗き込んだようです。通路を歩いている間、サウンドトラックから聞こえてくる言葉、床に描かれた言葉、いつもの見慣れた広告の代わりに目に飛び込んでくる言葉に、あなたはどんな言葉を返すのか。この通路を後にしたときなにを思うのでしょうか、教えて下さい。

アーティストは、彼らの独特の視点や感性で、この都市や現代を見つめています。アーティストはこの独特の感覚を個性にして生きています。そして、作品を通じてコミュニケーションを求めています。アートからまずさきに話しかけること、をこの『さっぽろアートステージ2006 / アート・ストリート』ではじめます。

企画:小田井真美(NPO法人S-AIR)



「Sapporo II 新しい展開をするための創造的な取り組み」
カミーユ・フェルシュフーレン


Sapporo ||(サッポロ・ツー)とは、柔軟で開かれた考え方。また目には見えないが、現実の札幌という街に重なり合うように存在している想像上の街の名前である。このパラレルワールドは、札幌に新しい物語をつくりだすとか、わたしたちの日常生活を見直すといった創造的なプロセスに、だれもが参加できる。この街=パラレルワールドは、現実の世界に似ているところもあるが、それは単に見た目だけのこと。ここで行われるすべての活動は、創造的な可能性のために検討され、実践されていく。

また、Sapporo II は、札幌の冬景色の中に未来のアート・マニュフェストの舞台をつくるというプロジェクトの名称でもある。アーティストとアート・プロデューサーとで行う共同作業に刺激を与えることもプロセスのひとつであり、自立した創造的なコミュニティをしっかり発展させることがねらいだ。さらに、札幌の半年近く雪に覆われているという独特な都市環境を活用して、現実のシステムに変化をもたらす、新しいことのできるプロジェクトを実現することを目論んでいる。共同作業をともなうこれら一連のプロジェクトは、多くの人が、協力しあうことの力強さを実感するだけではなく、創造的な新しい流れを生み出し、既成概念を見直すきっかけにもなる。

札幌市には約200万人が暮らし、現代アート美術館、ギャラリー、大学、いくつかのアーティスト・イニシアチブもある北海道最大の都市だが、文化的活動は弱体化している。だからSapporo || のようなプロジェクトが必要なのだ。このままでは、札幌にいるアーティストたちは、この現状に不満を抱き、将来のキャリアを求めてほかの土地へ去ってしまう。事実、札幌のアーティストたちは、日本のほかの地域や海外で働くチャンスを得ようとしている。しかし残念ながら、他の土地で培った経験を札幌に持ち帰って反映させ、札幌で新しいネットワークを展開させることはしていない。
しかも、札幌の活動的なアーティストたちは、一般社会から切り離されたアート業界という舞台に、自分のキャリアを根付かせるために、個人的な活動に終始していることが多い。これは、ありもしない競争原理に基づくアート業界のヒエラルキーにのっとったやり方に過ぎないし、また文化活動への金銭的な支援は、アート・マーケットの力関係に左右され、変化の激しい日本の市場経済に依存している。したがって、アーティスト・イニシアチブや文化事業オーガナイザーが、企画をつくり、活動の質を向上させていくために、経済的なサポートを得てその活動を継続することは困難な状況である。

では、どのようにすればアートが社会の一員となって、街やコミュニティを創造的な状況へ展開させていくことができるのだろうか?

札幌市はたくさん雪の降る街だ。毎年、札幌の街は凍てついた氷に覆われ、札幌市民全員が雪に関わりを持つ。道路や公園の除雪には、たくさんの人とたくさんの除雪機械とたくさんの予算が投入されている。こうして雪を都心部から郊外に運んでいるが、これは単に雪を場所から場所へと移動する行為に他ならない。 雪を移動するだけの現在の除雪方法を、変えることはできないのだろうか? 雪を廃棄することの代わりに、雪を創造的なアートの素材にできないのだろうか? 雪を移動しているにすぎない除雪という行為を、創造的な行為に転換することはできないのだろうか? 除雪作業がコミュニティにおける創造的な共同作業とは成り得ないのだろうか? 雪や除雪作業を通して、新しく創造性のある展開を生むことはできないのだろうか?



Hyperspace Sapporo II
Project#02: the future of Sapporo
Promotional presentation at the subway passage Odori-Station
Sapporo November 1-30 2006
By S-AIR and Kamiel Verschuren


このプロジェクトは、Sapporo II という未来のアート・マニフェストのコンセプトを広く伝え、2007年初旬に、2回目のSapporo II をみんなでやろうじゃないかという提案なのだ。 さらに、札幌の創造的な雰囲気と札幌市民として暮らすアーティストたち、それぞれの将来に関わる提案であり、札幌のアートの行方と市民の双方に対して呼びかけている。 実現可能な未来について発言することは、現在に対する問題提起であり、また未来に向かっての歴史的発展をはらんでいるのだ。

「通路」とは、AからBへ、そしてBからAへといった具合、たとえば人々が家を出て職場に向かうとか、仕事を終え家に帰るとかが同時に行われている場所である。 人々は「なにをするか」「なにをしたいか」「どこに行くのか」「どこから来たのか」などを考えながら通路を往来している。さらに、人々は曖昧な状態のまま「決定済みのこと」と「決定すること」のはざまにいる、つまり「現実」と「可能性」との間に横たわる「通路」の上に立っているのだ。



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