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- クルツ・ウント・グート II -
ゲーテ・インスティテゥート本部(ミュンヘン、ドイツ)の依頼により、アニメーションと短編映画で国際的に知名度の高い映画祭「フィルムフェスト・ドレスデン」のディレクター、ロビン・マリックが近年(1998-2004年)のドイツ短編映画の中からこのプログラムの為に27作品をセレクトしました。

ドイツ国内での評価だけでなく、アカデミー賞短編映画部門最優秀賞ノミネート作品など、国際的にも質の高い作品を数多く輩出しているドイツの短編映画(ジャーマン・ショーツ)を4プログラムに分けて本道初公開します。国内では京都、東京、札幌で上映。今回は<FIX・MIX・MAX!>の開催に合わせて公開することになりました。

2日間限りの上映です。この機会に是非ご覧になって下さい。
また、同時期に近代美術館特別展示室で行われている展覧会<FIX・MIX・MAX!>入場者には4プログラム通し券を特別価格にて販売いたします。

主催:npo S-SIR
共催:東京ドイツ文化センター
特別協力:FIX・MIX・MAX!実行委員会

*ゲーテ・インスティトゥート(ドイツ文化センター)は、ドイツ連邦共和国の文化機関で、世界各地で文化活動を行っています。
クルツ・ウント・グートIIは、以前ゲーテ・インスティトゥートが企画した短編映画プログラム、クルツ・ウント・グート(ショート&グッド。ドイツ語で「要するに」という意味の慣用句です。)の続編です。

     
 


 


愛というテーマなしに短編映画プログラムを組むことなど考えられません。「異物」では、同じ女を愛する無二の親友である2人の男のストーリーが観客を釘付けにします。監督のカトヤ・プラチュケはこのドラマチックなラブストーリーを27分間、動画を使わずに語ってみせます。写真で語るストーリーテリングの手法の再発見といえます。他方、スヴェン・タディッケンの作品「このままでいて」の登場人物は、愛と苦痛に激しく動揺し、見る者に息つく暇も与えんばかりに国道を疾走します。同様に、クレメンス・ピヒラーの「アンナオットーアンナ」ではオットーとアンナのそれぞれの致命的な進行方向は、観客に眩暈を引き起こさせ、二人の愛は前途多難です。
ネーレ・レアーナ・フォルマーの喜劇「私の両親」では、完璧に調和した関係を模索する両親は、娘の仲裁を経て、ある境地に達し、愛に関する新たな指標を刻みます。ロード・ミュージカル「出発」で、フローリアン・ミシャ・ベーダーは音楽による愛の告白という形式を選びました。


 


「近くと遠く」は短編ドキュメンタリーを集めた初めての試みです。ここ数年、若手の映像作家たちは斬新な手法を開拓し、ドキュメンタリーとフィクションの在来の境界線に疑問を投げかけています。見る者の視点、出身によって - ズザンネ・クヴェスターのとある一森林国の住民についての作品「フィノウ」では直ぐに、アンケ・リンプレヒトの東独国家保安省が残した遺産についての作品「東独国家保安省文書復元についての教材用映画」では徐々に - ドキュメンタリーの真正性への問いが浮上してくるはずです。

同時に、他の地域の生活を、一切コメントをすることなしにみつめ、内観と外観の混在を可能にしている映像作家の姿勢が見えてきます。なかでも、ゼバスチャン・ヴィンケルスのエッセー・フィルムのタイトル「うち・そと・モンゴル」には、この観察態度が端的に示されているといえるでしょう。また、ティル・パッソウは「ハウラー ハウラー」で、世界でも最大級の駅を舞台に、人間の共存のあり方の多様性を見せます。一方、ヤン・フェアベークは「東京のある水曜日の夜」で、日本の首都の日常のたったひとつのごく小さな、しかし重要な事柄に焦点を絞っています。

対照的に、ダニエル・クンレとインモ・リューデマンの「自由選択」とファティマ・アブドラヤンの「覚え書き」は、縁日で屋台を出す男、あるいはミュンヘン在住中国人カメラマンの人物像を介して、ドイツの内観・外観を描いています。また、ジスカ・リッケルスの詩的な作品「空の映画」は多様な知覚と空の様々な次元を照らし出しています。


 

もうひとつのテーマ「若者と老人」では、異なる世代の共存に焦点を絞り、そこから生じる幸福や困難を描いています。いかにして、痴呆や身体の衰えに苦しむ人間を、尊厳を傷つけずに、哀しくもおかしな状況において描き出すか。トーマス・ヴェンドリヒの「只今逝去」とヨハネス・キーファーの「グレゴアの大発明」は、経験豊かな俳優たちの円熟した演技によって、このテーマに迫っています。

ミッケル・レンチュの雄弁な3部作「トーク」とシカンダー・ゴルダウの「フラジャイル」は世代間のコミュニケーションそのものをテーマにしています。後者は最後(になるかもしれない)の別れの困難さを扱っています。ピヨートル・レヴァンドウスキーは「大妊娠」で、胎内においてさえ、モバイル・コミュニケーションが勝利することを証明しています。

二つの対照的な作品、エディナ・コンツェクの「児童」とマーク・マルツェの「裏切りの心臓」がこのテーマを締め括ります。パウルが、児童であることの耐えられない重さを、病的なまでに饒舌な教育者たちを介して示す一方で、エドガーの置かれた状況では、老いも若きも生死の瀬戸際に立っています。


 

ドイツにおける影の部分との向き合い方がこのテーマ「行くか残るか」の主題です。マーク・アンドレアス・ボーヒャートは「小銭」でビジネスマンとホームレスの衝突を、また、ハンナ・ドーゼの「穴の中の兎」は家庭内での性的虐待について、それぞれ重いテーマを扱っています。これらの作品は、いかにして難しい問題に相応の繊細さをもって対処できるかを示しています。

「脱出!」では徹底して醒めた、感情に走らない作風が際立っています。監督クリストフ・ヴェルムケのテーマは、東ドイツの地方でいかに生き延びていくかです。トム・ツェンカーの短くも簡潔な語り口の「平常通り」は、突然表出する暴力を、忙しい日常の何気ない脚注として啓示します。

いかに北ドイツの州都をアフリカ風に植民地化し、住民に希望を与えるかについて、ヤスパー・アーレンスは、作品「ウィンストン・ンガカンベがキールへ来た日」で手短に、そして皮肉たっぷりに想像を巡らせています。アンドレアス・ニースナーの「ビヨルンまたはお役所という障害」では、旅行好きのビヨルンさえ閉口する、荒唐無稽なお役所苦行参りの行く末が楽しめます。他方、インゴ・ラスパースの作品「最高!」では主人公が税関という難関を悠々と克服します。

     


 
   

11月11日土曜日
10:00 「行くか残るか」
11:35 「若者と老人」
13:30 「ユーアンドアイ」
15:05 「近くと遠く」
16:55分終了予定

11月12日日曜日
10:00 「若者と老人」
11:55 「行くか残るか」
13:30 「近くと遠く」
15:35 「ユーアンドアイ」
16:55分終了予定


  チケット
   

1プログラム:500円
4プログラム通し券:1500円
(先着60名に公式カタログを進呈)
*展覧会<FIX・MIX・MAX!>入場者は4プログラム・チケットのみ500円引き
チケット購入当日、<FIX・MIX・MAX!>のチケット半券をご提示下さい。(半券1枚につき1回限り)

 
 

<クルツ・ウント・グートII>上映27作品の受賞歴一覧
2003年ハンブルク国際短編映画祭観客賞。2004年クレアモント・フェランド国際短編映画祭観客賞。プリ・デュ・リール。プリ・キャナル・プリュス。2004年バルセロナMECAL短編映画祭最優秀短編映画賞。2002年ケーバー基金より奨励賞(Ko¨rberstiftung)。2002年写真デザイナー連盟より写真部門卒業制作奨励賞(Bund Freischaffender Foto-Designer)。2002年ドイツ短編映画賞金賞。2004年ケルン・クンストフィルム・ビエンナーレ実験映画部門画像芸術奨励賞。2003年ドイツ短編映画賞金賞。2003年ヤング・コレクション・ブレーメン批評家賞。2003年度フィルムクンストフェスト・シュヴェリン短編部門大賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点:特に高品質。2001年ザールブリュッケン州マックス・オフュールス賞短編部門最優秀賞。2001年ミュンヘン国際映画大学祭ドイツ映画学校銀賞。2003年ウィーン映画アカデミー映画祭審査員特別賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点: 特に高品質。2001年ドイツ若手映画賞。2001年ビルバオ国際映画祭ドキュメンタリー部門金のミケルディ賞。2002年タンペーレ国際短編映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞。2001年チリ国際短編映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞・同編集部門最優秀賞。2002年フィルムフェスト・ドレスデンドイツ短編映画コンペティション最優秀賞。2002年ベルリン国際短編映画祭ドキュメンタリー部門最優秀賞。2004年ボン市芸術賞2004 年ARD/ORFヤングCIVISメディア賞短編映画部門最優秀賞。(ドイツとオーストリアの公共放送局が授与する賞)ヴィースバーデン映画評価機関評点:特に優れている。2002年アカデミー賞短編映画部門最優秀賞ノミネート。2001年ロサンジェルス国際短編映画祭コメディー最優秀賞。2001年オースチン映画祭タイム・ワーナー観客賞。2002年サンフランシスコ・シネクエスト映画祭最優秀短編映画賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点: 優れている。2003年学生アカデミー賞ノミネート。2003年ドイツ短編映画賞ノミネート。2003年ロサンジェルスAFI国際映画祭観客賞。2003年ミュンヘン国際映画大学祭ドイツ映画最優秀賞。2003年ドイツ短編映画賞。2003年ラスパルマス・デ・グランカナリア国際映画祭最優秀短編映画賞。2003年ロードアイランド国際映画祭一等賞。2003年ヒューストン・ワールドフェスティバル「ベスト・ショート・コメディ」プラチナ賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点:優れている。2004年ドイチャー・カメラ賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点:優れている。2003年アルピナーレ・フォアアールベルク(Alpinale Vorarlberg)観客賞。2003年リューネン映画祭観客賞。2003年ゾンマーナハトキノトラウム・ヘルシンク・ゼーフェルト(Sommernachtskinotraum Herrsching-Seefeld)観客賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点:特に優れている。2004年フィルムフェスト・ドレスデン観客賞。2004年シュヴェリン映画芸術祭短編映画コンペティション大賞。2004 年ベルリン国際短編映画祭ドイツ短編映画最優秀賞。2004年ドイツ短編映画賞ノミネート。ヴィースバーデン映画評価機関評点:優れている。 2003年オッフェンバッハ・ユア・カット映画祭(Your Cut Film Festival Offenbach)一等賞。2003年WAM フィルムナハト審査員賞一等賞、観客賞。2004年フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ短編映画賞。ヴィースバーデン映画評価機関評点: 高品質。2002年フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ短編映画賞。2002年映画助成機関ショートタイガーアワード。1999年ドイツ短編映画賞銀賞。2000年シネマ・コル映画祭ヨーロッパ短編映画最優秀賞。2000年フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ短編映画賞。2000年アカデミー最優秀短編映画賞ノミネート。2002年エムデン映画祭東フリース短編映画賞第2位。ヴィースバーデン映画評価機関評点: 高品質。2004年フィルムフェスト・ドレスデンドイツ短編映画コンペティション優勝。2004年ハンブルク国際短編映画祭ジェームソン・ショートフィルムアワード。2004年映画助成機関ショートタイガーアワード。2004年ドイツ短編映画賞ノミネート。ヴィースバーデン映画評価機関評点: 高品質ヴィースバーデン映画評価機関評点:高品質。 2003年アンタルヤ映画祭審査員大賞。2004年ドイチャー・カメラ賞最優秀編集賞ノミネート。2004年イマージアンドシー短編映画祭観客賞(ブダペスト開催)。2003年ミラノ映画祭観客賞。2004年フィルムフェス
ト・ドレスデンドイツ短編映画コンペティション優勝。